♪ お知らせ

感染症

土曜日, 10月 19th, 2024

今日はレプトスピラ感染症、SFTSウィスル感染症のお話です。

双方とも人畜共通伝染病に指定されており、動物(種類によります)も人も感染し、重症例では死に至ることもあります。

レプトスピラ感染症は湿地や空き地の水たまりなどに、保菌したネズミやアライグマが排泄した尿に後からやって来た動物が接触し感染します。怪我や皮膚炎があると感染頻度が高まります。

発熱、活動性の著しい低下、嘔吐、下痢、黄疸(初めは尿がやたら黄色くなる)などにより受診されることが多いです。血液検査では腎障害や肝障害が認められます。確定検査はPCR法にて病原体であるスピロヘータを確認するのですが、通常はIgG,IgM抗体を測定して症状と見合わせて診断とします。

看病中はその子の排泄物には直接触らず、必ず手袋、マスク、専用の着衣(割烹着など)を準備してそれに当たって下さい。また処理した汚物はしっかりと管理して、他の動物やヒトが触れないようにすることが大切です。

治療には脱水補正のための点滴や嘔吐のコントロール、抗生物質によって病原体をアタックします。しかし既に痛んだ臓器はどこまで修復されるのかが生死を分ける問題点です。

予防注射はあります。今一度屋外へのお散歩が多い場合は、ワクチン接種項目にレプトスピラが入っているかご確認ください。入っていなければ追加接種します。

 

SFTS感染症はマダニから感染するウィスル性疾患で、この10年ほど前から日本全国で人の感染が確認され、高齢者や免疫の低下した方々では重症化している疾患です。また重症例では致死率は27%ほどと言われており、怖いと騒がれている人喰いバクテリア、即ち溶連菌感染症の致死率は30%ほどですから、あまり変わりません。それだけ怖い疾患なんです。

奈良県では2024年6月に初の人における感染者が確認されました。症状や検査におきましては発熱、嘔吐下痢、腹部痛、血小板の減少などが挙げられます。

また動物分野ではネコにおける感染報告が多く聞かれ、発熱、食欲や活動性の著しい低下、嘔吐などが受診の理由です。血液検査におきましては、黄疸、血小板、白血球の減少、肝臓の障害が目立ちます。

治療薬もなく対処療法しかありません。

マダニは庭にもいます。庭にも出ていない小型犬にもマダニが付いていた事もあります。それは野外の散策がお好きなご家族が居られたご家庭でした。恐らくですが、ズボンなどの裾に付いてやって来たと考えられます。事実フィールドのマダニ調査では、大きな白い布を両手に持って、雑草の表面を撫でるように数回往復させ、そこに付いたマダニの種類や数をカウントします。たったそんな作業でマダニは付くのです。

昔奈良公園の鹿をアメリカに親善大使として送った際、アメリカの検疫でマダニの付着を理由に止められ送り返されてきたことがあったと聞きます。レーガン大統領の時だったでしょうか。どこにでもマダニはいます。全てのマダニが病原体を持っているは限りませんが、そのつもりで見ておいて間違いありません。

マダニを見つけましたら、決して素手ではなく手袋を装着し出来ればマスクゴーグルも着けてマダニ除去をしてください。決して潰してはいけません。潰さずにガムテープなどに張り付けて逃げないようにし、ビニール袋に入れて封をしてからゴミ箱に廃棄してください。

また動物たちにはマダニ予防薬の投与をしっかりと実施し続けてください。

ネコの伝染性白血病やネコのエイズの時もそうでした。またイヌのジステンパー感染症が流行した時もそうでした。いつどこからやって来るのか、全く予兆がなく、気が付けば隣に居るのです。コロナがそうであったように。

私たち動物医療従事しているものとして、動物の健康ともにご家族の健康、スタッフさんの健康、地域の方々の健康にも留意が必要で、皆様方に過度な心配を与えないよう、しかし的確に現状をお伝えする必要を感じております。とても難しい事だと痛感します。

どうか他人事ではありません。

人から人への感染に関しましては東京都での例ありますが、これは感染した患者さんから医療従事された医師への体液による感染とされて居り、一緒に住んでいるだけとかお話しただけでの感染は確認されておりません。

感染力は然程強くないようですし、保健所による指導ではアルコールや石鹼などによる手指の消毒も有効だと聞きました。

くれぐれも冷静にかつ慎重に情報を取り入れてください。

8月お盆のお休みを頂きます。

月曜日, 7月 22nd, 2024

今年は例年より1日長いお休みと、その前の山の日が重なります。

大変申し訳ありません。

お薬やフードのご依頼は、8月6日までに頂戴できますと、確実に準備することが出来ます。

薬の卸さんや運送業者さんも動きが滞る時期でもありますので、少し早めにご連絡くださいますようお願いいたします。

祇園祭ってこんな場面が想像できませんでした

月曜日, 7月 22nd, 2024

祇園祭と申しますと、雅なお祭りでエンヤラヤ~との掛け声に、大きな何トンもある山鉾がギシギシと音を立てながら、太い綱で多くの曳き手によって引っ張られるお祭り。ゆっくりとしたイメージがありました。

時々子供たちの踊りがあったりとほのぼのとした映像が浮かびます。

そもそも感染症が蔓延したとき、市中に悪いものが出回っていると言う発想の元で、それなら神様にお願いして祓ってもらおうという天皇の命令で、八坂神社の神様3柱にそれぞれ神輿に乗って頂き、市中を練り周り病気と決別する行事だったらしいのです。しかし神様にお下り頂くにはその前に街をきれいにしなければならず、そこで清めの意味で山鉾で清め、その後御神輿で御旅所までおいで頂く。それに尾ひれがついて現在の巡行や行事が作られ、1か月かけて京都市内の一部では壮大なお祭りが今の祇園祭となっているようです。

今年休診日が何かとその行事に当てはまり、時々見に行く事が出来ました。

その中でも今までのイメージとは異なるシーンがこれです。

まるで火祭りのような光景でした。これもまだ神様が乗っておられない御神輿を清めたお水で洗う儀式の前。御神輿をその場まで運ぶために道を清める必要があり、そのため、八坂神社と言うお宮さんを守る氏子さん集団「宮本組」が松明を焚いて道を清め、そして御神輿を運ぶ「神輿洗いの儀」に遭遇することが出来ました。

これも偶然にこの場(四条大橋の西側 中央)に立つことができたのも、何かの思し召しかも知れません。

奥には朱色の八坂神社の西楼門。左には御祭神の乗られる中御座。そして松明の炎と熱による陽炎。

トリミングしてありますがなかなか全体像も迫力あるものでした。

また宮本組が橋の袂にやって来るのですが、これまた迫力を感じるものでした。

様々な表情を持ったお祭り。全国から、しかも毎年、2週間も休暇を取って来られている方も少なくないのも理解できます。

私がお話した方だけでも仙台、東京、静岡、神奈川、千葉そして香港、ギリシャとたまたまかもしれませんが、遠方の方が多いのには驚きました。それだけ魅力を持ったお祭りなんでしょう。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)が奈良県で初確認

金曜日, 6月 14th, 2024

6月14日吉野保健所管内でSFTSウィルス感染が確認されました。

奈良県では初の感染確認となります。

2011年中国で確認されたウィルスで、感染しますと発熱、腹部痛、嘔吐などの症状が出るそうです。致死率は27%もあると記載されていました。

このウィスルは通常マダニからの感染ですが、今回の感染者にはマダニの咬み跡は認められておらないそうです。従いまして感染ルートは不明の模様。

4月に東京都で報告された感染者は、ネコに餌を与えてネコからの感染が疑われていたそうです。またその方に治療に当たっていた医師は、その患者さんから感染が成立した国内初のヒトヒト感染の第1号だそうです。

皆さんご注意ください。

草むらに入るときは長ズボン、長袖、手袋は必要になります。

蚊の一生

金曜日, 6月 14th, 2024

蚊は他の多くの昆虫と同様に卵、幼虫、サナギ、成虫と成長してゆきます。

イエカの場合産卵された卵は11日で成虫になり、成虫となってからメスは5~7日で産卵できます。

1回に産卵する卵は150~400個と言われ、生涯で約1500個の卵を産むそうです。

産卵場所はご存じな通り溜水です。

私たちは周辺を見渡して、雨水が溜まっている場所がないだろうか。必ずチェックする必要があります。

花壇に足跡が・・・

土曜日, 2月 17th, 2024

節分が過ぎますとすっかり空気感が変わりました。朝夕はさすがにまだまだ冬のそれですが、日中には春めいた温度にまったりとしてしまいます。

3年ほど前、富山のチューリップ農家から球根を購入し綺麗に咲いてくれました。開花後掘り上げて日陰にて過ごさせ、冬に植えて春には栄養をしっかりと与えながら球根を太らせました。その年も掘り上げてから冬に植えての繰り返しにて今年も開花を待つばかりです。

ところが最近球根を植えた花壇に幾度か人や犬の足跡を見つけてしまいました。

か、か、悲しい・・・。

土が柔らかく動物は排泄に好む場所でもあります。が、花壇はお花や植物のお家です。

間違えて踏まないで下さい。

勤労感謝の日が過ぎました

土曜日, 11月 25th, 2023

今年最後の祝日も過ぎて後は師走を待つばかりです。

夏は猛暑、秋は何かと私用で駐車場の花壇、看板や木製構造物のペンキ塗り、ポストの補修と屋外における作業が滞ってしまいました。

休診日と祝日がたまたま続いたので、時間をこれらの作業にみっちりつぎ込むことが出来ました。

古くなった塗料を剥がして、次にマスキングテープを貼って、出来るだけはみ出さないようにペンキを塗る。小学生の頃から実家のガレージの屋根を年末に塗っていたのを思い出します。下手くそでしたが塗料の被膜で屋根を守る事だけは出来ました。

ポストも基礎となる木板が腐食してきていたので取り換えです。シリコンで建物とポストを固定しましたのでそれを切り離し、腐食した板を剥がして予め購入しておいた板に交換。再びこれを建物に固定。この作業は乾燥が必要なため2~3日かかりました。

その他、作業が途中で止まっていた自室の棚を作り上げる事などなどなど。ほぼ休むことなく動き回っておりました。

充実感満載。

ふと玄関先の花壇を見ますと綺麗なダイヤモンドリリィが咲いていおり、ちょっとカメラを持ち出してワンショット。

駐車場奥を見ますと今年のドウダンツツジは綺麗な色を出しておりました。

皇帝ダリアは今年も花芽がつきそうにありません。あちらこちらではもう満開のようす。綺麗ですね。

そう言えば紅葉を見に行ってはおりませんでした。街中の紅葉も捨てたものではありません。今年は近くの風景を楽しみます。

生駒山に日が沈む直前の夕方、空をみあげましたらウロコ雲(別名イワシ雲)がびっしりと。

秋なんだなあと実感。日中気温が20度近くまであっても空は秋でした。

朝夕や日によっての気温差が激しい毎日です。皆様方くれぐれもお体にご注意ください。

10月25~29日

火曜日, 10月 24th, 2023

9月、10月は臨時のお休みが続出し大変申し訳ありません。

9月は母を見送り、10月は五重相伝会と申しまして法然さんの教えを聞いて、今後を見直し、ご先祖様を大切にして行こうと思っております。

ご不自由、ご迷惑をお掛けすることは十分に承知しております。どうかご理解いただけます事ようお願い申し上げます。

 

世界狂犬病デー

木曜日, 9月 28th, 2023

9月28日は世界狂犬病デーだそうです。

世界では9分に1人が狂犬病に感染して亡くなっています。しかもその大半は子供。

かつて日本も狂犬病保有国でありましたが、昭和32年を最後に国内での自然感染者はおりません。

ただ外国で狂犬病の犬に咬まれてそのまま帰国し、数日内に国内で発症したケースは昨年もありました。

また外国籍船が日本の港に寄港し、その船に自国から乗せていた犬が飛び出し、日本領土内で不明になるケースもあるそうです。このような場合、最悪は狂犬病が持ち込まれる事もあるので、私たち日本でも気が抜けません。

狂犬病は感染すると死にます。治療薬はありません。非化膿性脳炎を引き起こしとても苦しい末路です。

どうかこのまま日本が清浄国であり続けられますよう、皆様方のご理解が必要です。

診察時間について

土曜日, 9月 2nd, 2023

9月になりました。相変わらず日中は暑い日々が続きます。皆さまお変わりありませんか?

さて診察時間につきまして。

昨年9月から土曜日の診察開始時間を7時から9時に変更いたしました。

当院ホームページサイトでは変更しておりますが、外部におかれます動物病院紹介サイトまではその変更が成されておりません。

私の力はそこまで及ばず申し訳ございません。今一度ご確認は当ホームページサイトにてお願いいたします。

(と書きましたが、この文面を見ておられる方々はきっちりと見て頂いているのですよね。どうしましょう。)


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