病気の味方考え方

心臓が悪くなったら

土曜日, 8月 22nd, 2015

病気の症状により段階があります。

NYHA(ニューヨーク心臓病協会)の分類のよりますと

Ⅰ期 症状なし(心雑音のみ)。運動制限は必要なし。

Ⅱ期 安静時は無症状。運動により症状が発現。軽度の運動制限が必要。

Ⅲ期 安静時は無症状。普段の活動で症状が発現。運動制限が必要。

Ⅳ期 安静時でも症状が発現。絶対安静が必要。

といった具合です。これはあくまでも分類上の目安です。

Ⅰ期・Ⅱ期で発見されると食事管理で進行がかなり抑制できることが判っています。

軽度なナトリウム制限やDHA/EPA(必須脂肪酸)の摂取が大切になります。

ナトリウムの制限はまさに病気の段階によって変わります。

薬剤投与は必要になります。

食事管理はとても重要です。早期に気付くことでその後の生活が楽になり、お薬も少なくなる場合も多いのです。

できるだけ早い段階で食事の変更を一緒に考えていきましょう。

ちなみに体重を落とすための食事ではナトリウムが高いものもあります。

食事による体重管理や消化器障害、心疾患、腎疾患などは必ず獣医師や看護師と相談の上決定してゆきましょう。

呼吸数の増加 心不全症状?

土曜日, 6月 20th, 2015

心不全を持っている犬の割合ってご存知ですか?

統計によりますと10歳以上の犬の30%以上が心不全を持っていると言われております。

とても確率が高いのです。

2011年度のJKCランキング上位10位の人気犬種の中では

1位 プードル、2位チワワ、3位ダックスフント、4位ポメラニアン、5位ヨークシャテリア、7位シーズー、8位マルチーズ、10位パピヨンが心疾患好発犬種でもあるそうです。(ほとんどの小型犬が発症するのでしょうか。いやいや大型犬もあります。)

そこでどのように自宅で看てあげればいいのでしょうか。

1)咳をよくする。(興奮後や運動後)

2)散歩の途中で休みたがる。

3)おとなしくしている時の呼吸数が増加する。

などがポイントです。

特に最近言われ始めているのが3)の呼吸数の増加です。

安静時もしくは睡眠時の1分間の呼吸数を数えるだけです。これがあるとき20%以上増加していたら病院に来ていただく目安になります。

この調べかたはとても感度が良く、僧帽弁閉鎖不全症というとても多い心疾患では92%の感度であるようです。

確かに心不全になると血液を脳や他の器官に送ることが滞り、呼吸数を増やさないと体は立ちいかないわけですから。

また呼吸が苦しいと食欲も落ちます。すると痩せてきます。

体全体がいろいろ症状を発してくるのです。

Heart2Heart  Canine RRR App というアプリケーションがあります。(スマートフォン、タブレット専用アプリケーション)

一度試しに呼吸数を記録しながら健康管理に努めてみてはいかがでしょうか。

心疾患を患ってからではわかりにくいので、健康なうちから管理してあげましょう。

7歳以上の子は毎月30日は呼吸数測定の日!!としては?

マムシ

木曜日, 7月 3rd, 2014

診察が終わって一息ついたとき電話が鳴りました。内容はヘビに咬まれたそうです。

早速来ていただきました。

左上の唇が腫れています。よく見ると皮膚に出血跡が点々とあり、どうやら牙の跡でしょう。

状況をお聞きすると夜7時半頃散歩をしていると、池のほとりにある小さな物置の下に、犬が鼻を突っ込んだろところ「キャン」と言って鼻を出したそうです。すると小さなヘビが一緒に出てきたのを見たと言っておられました。

おそらくマムシでしょう。マムシは体長が短く、アマガエルなどを食することから湿っぽいところを好みます。そして歯型が毒蛇独特の4点あるハの字状でしたら、ほぼ確定です。

抗血清はあませんが、ヘビの牙周辺にはかなりの細菌が常在しており、これをコントロールしなければなりません。同時に激しい炎症を止めてあげることも必要です。

これで翌朝と夕方に再度診察したところかなり元気になっており、唇の腫れも引いておりました。

ジメジメした時期です。草むらへの侵入には十分に注意をしてください。

どうしても草むらへ行かねばならないときは、皆様も長靴や足元を隠すような出で立ちで出かけ、手には長い棒を持ち、草むらをガサガサ叩きながらヘビに「逃げなさい」とメッセージを与えながら歩くことも必要かもしれません。

ちなみにマムシは尻尾を地面に叩きつけて飛ぶこともあります。

鎌首を挙げているヘビにはそれ以上攻撃はしないよう注意してください。

腎臓不全を早期に知るために

月曜日, 6月 30th, 2014

腎臓は2つあり、次の作用をします。

血液の中の老廃物を尿にしたり、必要な水分を再び体に吸収したり

また血液を作るためのホルモンを出したり、血圧をコントロールするホルモンも出します。

体にとってはもちろんとても大切な臓器の一つです。

ところがこの腎臓はとことん異常が起こらないと症状を出しません。これがとても厄介なのです。

例えば血液検査で尿素窒素(BUN)やクレアチニン(CRE)を測定するのですが、これらに異常が出た時にはすでに75%が壊れているのです。

言葉を換えれば25%以下しか正常な細胞が残っていないという事です。

この段階でもある程度の生活レベルは守れますが、もちろんもっと早期に診断ができるとさら良いに違いありません。

そこで積極的に尿検査を実施します。

尿中の蛋白、潜んでいる血液(潜血)、酸性・アルカリ性の傾き(pH)、尿の重さ(尿比重)を主に測定します。

特に尿比重は重要で、尿が作られるときに通過してくる尿細管の機能がある程度わかるのです。尿細管で尿中の水分を吸収したりする能力が低下すると、尿がとても薄くなり量も多くなります。いわゆる尿細管の透過性が高まると言い、腎不全の兆候の一つに数え上げられます。

しかし塩辛いものを食べたあとお水をたくさん飲むと尿は薄くなりますし、たくさん運動して飲み水をあまり飲んでないと濃くなったりしますから、たった1回の尿検査で薄いからと言って異常と決めつけられるものでもありません。数回検査した上で評価する必要があります。

また最近血液検査で15kg以下の犬ではシスタチンCという物質を測定することで、腎臓のろ過機能を判断することができる方法も取り入れられてきております。(シスタチンCとはタンパク質の一つで、腎臓の糸球体で濾過されたシスタチンCが尿細管で再度吸収されることがわかったため、尿細管の再吸収能力を見ることが出来るわけです。)

クレアチニンは痩せている個体は少ない値が出ますが、シスタチンCはそのようなことがありません。

その他ナトリウムやクロールも尿細管で再吸収される物質ですので、病気の段階により高く出ることも低く出ることもあります。

7歳を過ぎたころ

尿の量が多いなあ。薄いなあ。飲み水の量も多いなあと感じたとき

は血液検査と尿検査を受けてください。

早期なら食事管理がとっても有効です。(腎臓を治す薬はありません。)


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