診察が終わって一息ついたとき電話が鳴りました。内容はヘビに咬まれたそうです。
早速来ていただきました。
左上の唇が腫れています。よく見ると皮膚に出血跡が点々とあり、どうやら牙の跡でしょう。
状況をお聞きすると夜7時半頃散歩をしていると、池のほとりにある小さな物置の下に、犬が鼻を突っ込んだろところ「キャン」と言って鼻を出したそうです。すると小さなヘビが一緒に出てきたのを見たと言っておられました。
おそらくマムシでしょう。マムシは体長が短く、アマガエルなどを食することから湿っぽいところを好みます。そして歯型が毒蛇独特の4点あるハの字状でしたら、ほぼ確定です。
抗血清はあませんが、ヘビの牙周辺にはかなりの細菌が常在しており、これをコントロールしなければなりません。同時に激しい炎症を止めてあげることも必要です。
これで翌朝と夕方に再度診察したところかなり元気になっており、唇の腫れも引いておりました。
ジメジメした時期です。草むらへの侵入には十分に注意をしてください。
どうしても草むらへ行かねばならないときは、皆様も長靴や足元を隠すような出で立ちで出かけ、手には長い棒を持ち、草むらをガサガサ叩きながらヘビに「逃げなさい」とメッセージを与えながら歩くことも必要かもしれません。
ちなみにマムシは尻尾を地面に叩きつけて飛ぶこともあります。
鎌首を挙げているヘビにはそれ以上攻撃はしないよう注意してください。