奈良の動物病院 山尾獣医科病院

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電車の中で

電車の中で・・・・とは言いましても盗撮や痴漢の類ではありません。

日曜の午後、ようやく診察が終わったのでぶらりと大阪に出て行きました。某大手のカメラ専門店が目当てです。TVのCMでは見るのですが、行くのは初めてでした。いざ出てみるとやはり梅田は都会です。人、人、人。少し人の集団に酔いました。いざカメラの店員さんに「いつもこんなに人が多いのですか?」と恐る恐る聞きましたら、「いやいや・・・。もっと多いのですね。」やはり人口が違いすぎます。しかしよくよく観察してみると、白人がところどころに見当たるのと、言語があきらかに日本語でないアジア系の方が目立ちます。新聞にも書いてありましたが「家電やその他の商品が本物でしかも安く買える」と言って大陸からやって来られているそうです。ともあれ大阪は人が多い街でした。

さていろいろ見たので帰ることになり、けいはんな線に乗りました。これに乗れば終点まで概ね座って寝て帰れることができるのです。ふと見ると、隣りに2歳半ほどの男の子を向かい合わせに抱っこしたご主人、そしてその隣りに奥様が座っておられました。奥様はしきりに平日子供が言うことを聞かないことなどご主人に話しています。ご主人は生返事で聞いておられ、子供さんに話しかけて居られました。おそらくどこでも見られる光景です。

そしてその会話も途切れ、子供さんはぐっすりと、そして抱っこしているご主人も船をこぎ始めました。とうとう子供さんの頭の位置はのけぞってしまいました。それでもかろうじてご主人の両手は子供さんを抱きかかえています。

ところがご主人の船はどんどん揺れを増して行き、傍から見ていて「大丈夫かいな~」という振幅です。そのうち子供さんの方が頭の位置を元に戻し、ご主人の肩にしっかりとくっつけました。一時ご主人の船漕ぎは和らいだのですが、余ほどお疲れなのでしょう。1分も経たないうちに大きな波に飲まれてゆきました。抱きかかえているご主人の両腕もやや緩くなって行くのが判ります。「え~!落ちるんと違うの~?」

もうこうなったら見ているこちらの方が心配で心配で。私の右手は完全にスタンバイ状態。多少テニスで覚えのある反射神経。とうとう人様の役に立つときが来たようです。この位置なら手のひらを回内させて、落下予測地点へ滑り込ませれば間に合うだろう。いや回外かな??とかいろいろ考えつつ、いつ何時子供が落ちても助けるぞ!変な責任感が湧いて来ました。(すっかりと妄想の世界)

そうこうしているうちにとある駅に電車が止まりました。おもむろに本を読んでいた奥様が無言ですくっと立ち上がりました。そして船を漕ぎながらどこかで意識があったのでしょう、起こされたわけでもないのにご主人は子供さんをしっかり抱っこして立ち上がりました。そして何事もかなったように3人とも下車されました。

思わずホッとして力が抜けたようになり、気がつけば私が船を漕ぎ出していたようです。

(疲れた~)×3=お節介焼き!!

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