奈良の動物病院 山尾獣医科病院

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自転車~ポタリング~

自転車って周囲では乗れて当たり前という雰囲気がありませんでしか?小学4年生までの私にはとても負い目でした。

我が家は4人家族。自転車に乗ることができたのは父と姉。母は自転車なんて絶対に乗らない。乗るなら4つのタイヤが付いていれば乗る!と言って、当時奈良に越してくる際、学園前はまだまだバスの未開地でしたから、これをきっかけに40歳という年齢にも関わらず免許を取得し有言実行したほどです。80歳を過ぎた今でも運転しており、いまだにミッション車(クラッチがついた車)を使用しています。

こうなると乗り物に乗れない私としては家族中で立場が悪いわけです。そこで父や姉からも強く勧められ(いわゆる強制というやつです)練習に励むわけですが、なんせ小学2年生の体格(クラスでも小さいほうでした)にいきなり24インチの自転車を用いて、しかもどこで聞いてきたか判らないのですが補助輪があると上手にならない!!なんて言いながら、うしろでちゃんと持ってるからねってわざわざウソをつき補助してくれるのです。当の本人はそんなことお見通しで、あっ今手を離した~ってわかるんです。こんなことを繰り返してとうとう挫折を味わうことになりました。

そして長らく自転車の世界とはオサラバしたのですが、奈良に引っ越してくるとこれが本当に移動手段がなく、ただひたすら歩くか母の運転する車に頼るしかなくなりました。そして近所の年下の子と遊ぶとき、彼は自転車。僕は徒歩。これではバランスが取れません。彼が自転車で移動するとき、その直ぐ後ろを僕が走らなければ遊べません。まるで馬上の殿様と槍を担いだ歩兵の図式。

こうなると子供ながらに情けなさがこみ上げてきて、自転車に乗りた~~いとモチベーションが一気にあがりました。

ここまで追い込まれると後は速いものです。1週間もしないうちに町内を自転車で自慢げに一周してました。

さあ自転車さえあればどこへでも行ける。そんな希望と夢が広がり、ブルーブックスから出版されていたサイクリングの本を幾度も幾度も読んで、パンク修理や簡単な整備方法まで学びました。またポタリングという単語を小学生のときに知りました。ポタリングとは自転車に乗って散歩することという意味だったと思いますが、単なる移動手段としてガンガン走るのではなく、周囲の景色を楽しみゆっくりと走るのです。いずれこのポタリングを実行してみたいと思います。この当時「ゆっくリズム」という概念をイラストレーターの真鍋 博さんが提唱されていたものです。急ぎすぎる日本に警鐘を鳴らしていたのでしょう。

お陰で中学、高校と自転車通学を致しましたが、こうなると怖いもので両手を離して何kmでもいける自信すら出てくるのです。もう曲乗りです。しかし神様は見ておられたのでしょう。通学途中、小型ダンプの下にもぐりこみ、あわや!という事故にあいました。3ヶ月間の松葉杖生活をしました。

その後車社会になじみましたが、やはり最近また自転車の魅力に引き込まれそうです。

ところが最近、自転車の事故が深刻化し、また日本での自転車の法整備が遅れているため、自転車と人の衝突事故が重大な社会問題に発展してしています。これを受けて自転車が引き起こした人身事故に5000万円の高額賠償の判決が下っております。

たかが自転車と言わず、事故は起こしても起こされても怖いものです。お互いが安心して暮らせるような気遣いがあれば事故はなくなると信じます。

たとえ自転車と言えども歩行者にとっては走る凶器になりえるのです。しっかりと整備して歩行者を守り、お互いを尊重しあえば、車でも自転車でも事故はなくなるはずです。

もう一度ポタリングの精神を考えてみたいと思います。

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