私たちは日常お薬をよく使います。もちろんよ~く考えた上で、必要かどうかを吟味するのです。
その中でも抗生物質は良く使う薬の一つです。これも耐性菌の出現が気になるところですが、動物たちの場合、初期症状がつかみにくく、どうしてもある程度進行した場合が多いのでやむなく使用せざるを得ません。
その抗生物質の中でも昔から「クロマイ」といわれ信頼を勝ち得てきたお薬がありました。小動物の分野では呼吸器感染、消化器感染にはなかなか良い効果を出してくれたのです。それにもまして、注射液や糖衣錠、パルミテート液というとっても美味しい味のシロップもありました。20数年前まではパルミテートパウダーというこれも美味しい粉の薬になっていたのです。
ところがパウダーはその頃製造中止になり、昨年注射液も製造中止を宣言。今年に入ってパルミテート液が製造中止。いずれも突然「製造を中止しました」と過去形でメーカーが伝えてきました。残るは錠剤のみです。
そして昨日当院で最後のパルミテート液処方となりました。長い間ありがとう。
いままで自分が舐めた薬の中で、一番美味しかった薬だったなあ。