奈良の動物病院 山尾獣医科病院

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おもちゃの吸盤食べちゃった

吐き気が止まらない子犬がやって来ました。20分ほどいろいろな事をお聞きしていくと、どうやら異物を食べる習性があるらしいことがわかり、早速レントゲン検査を行いました。

胃内にまるで吸盤を横から見たような1.4cmほどの物体があります。明らかに生体内の構造物ではありません。

数時間後に再度撮影してみました。やはりあります。どうやらおもちゃの吸盤が候補に上がりました。とても柔らかいフニャフニャの吸盤です。でも胃酸に触れると硬くなります。これは厄介です。吐かせるにも吸盤の周囲が硬くなると粘膜を深く傷つけてしまいます。

お預かりして診察終了後に内視鏡で調べる事にしました。

入院中はお部屋で「出して~。出して~。」とばかりにピョンピョン跳ねてます。「胃内の異物が流れ出ていかないだろうなあ」と冗談で言っていたのです。

冗談は現実のものとなりました。内視鏡による観察で、胃内は空っぽ。十二指腸内も空っぽでした。

再度レントゲン検査を行いました。かなり下部の小腸領域(おそらく空会腸)に侵入しているのが見えました。

とりあえずこの段階では手術して異物を取り出すか、排便を待つか、の選択があります。

この子の体格と異物を比べると、微妙な線でしたが一晩待つことにしました。

翌朝、飼い主さんが明るい顔でお見えになりました。もう言葉を聞くまでもありません。出たのです。

緑色の小さな元 吸盤。その縁はカチカチに変化していました。まるで刃物のようでした。よく無事に出てきてくれたものです。

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ちなみに内視鏡でみた胃の底と出口は赤く腫れていました。異物によるものでしょう。しかし十二指腸は見る限り問題なかったのが不思議でした。

このお家ではこれを機会に小さな物を気をつける運動が始まりました。第2第3の事故を防ぐために。

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