奈良の動物病院 山尾獣医科病院

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問題行動?

ミニチュア・ダックスは片手で抱っこが出来ますし、いまでもとても人気がある犬種です。狂犬病の集合業注射に出かけても必ず数頭見かけます。また2~4頭と複数飼われているご家庭も時々見かけます。かくいう私も3頭飼っています。

でもダックスはそのDNAにより見知らぬ人や、不審と彼らが思った音にはとても反応し「よく吠える犬」とレッテルが貼られています。

これはテリトリー内に及んだ異常と思えることをいち早く察知し知らせるのです。だから猟犬として素晴らしい能力を発揮するのです。したがってこの特性をよく知らないと「人に不都合なこと」からだめな犬と言われてしまいます。彼らは必死でその異常を知らせているのにダメ扱いされているのは彼らにとって不本意だったでしょう。

室内で一緒にいるボーダー・コリーさんがいました。その子は室内にある自分の小屋に入ってエサをもらうのが習慣です。ある日自分の小屋に入ってエサをもうらう際、飼い主さんの手をめがけて咬みました。実は本来のボスである飼い主さん家族は転勤されて居られず、現在はその方のご両親がお世話をされて居ました。そしてお母様がその子にエサを上げようとして・・・・。実はその子はご両親のことをボスとは認識していませんでした。そして自分の小屋を単なるテリトリーとして考えていたのです。そこである日テリトリーに近づく者は敵として判断したのです。本来のボスが居なくなってしまい、誰が自分の身を守ってくれるのか!と考えたのかもしれません。

1歳を過ぎたハスキーさん。今までただのやんちゃな子だったのですが、ある日散歩の途中で人が近づくと唸るようになりました。お家のお庭で遊んでいて、外からかまって来る人にはいつもの優しい表情なんです。どうやらこの子は少々怖がりさんで、テリトリーから一歩出てしまうとかなり緊張をしていると想像します。そこで飼い主さんが本来ボスであるならしっかりと頼れるのですが、とっても優しいお母さんと、お嬢さんがお世話をされているため、自分が守らねばならない。大好きな家族を守らねばならない。と考えるのです。犬は集団社会を形成しますから、その集団に降りかかる異常は誰かが追っ払わないといけません。そこでボスが登場します。がボスが優しいと犬はその人がボスだとは認めず、自分がボスになろうと努力します。

さて以上の出来事は実際にいつでも見られる出来事です。これは問題行動でしょうか。犬の特性を考えてあげれば問題なのは人間の対応の仕方かもしれません。

もしも犬を飼われる場合、近くの犬を良く知った方に相談される方、ペットショップに相談される方が多いです。出来れば獣医師、訓練士、トリマーなどにも意見を求められればもっと楽しい、自分にあった犬種を選ぶことができるのではないでしょうか。パーフェクトな犬は居ません。ですから何が優先されるのかを明確にしておけば選びやすいです。

昔生後3ヶ月のゴールデンレトリバーを連れて来られた親子が居ました。どれくらい大きくのなる?という質問がありました。体重にして20~25kg。大きさはこれくらいかなあ。と両手を広げて示しました。するとお母さんはビックリしておられたのですが、私はそれを見てビックリしました。何故かお判りですよね。成犬の大きさを予想しないで飼うなんて・・・・・。

DNAに組み込まれた性格や性質、体格、体質は治せません。これを認識してあげて理解して上手にお付き合いするのがお互いに楽しい生活だと言えます。

動物と一緒に生活を考えるとき、まずはいろいろな人の話を聞いて頂きたいものです。

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