傷ついた野鳥や野生動物の保護も私たち獣医師の仕事です。人間の勝手で害獣、害鳥なんて言われているのは、甚だ動物たちにとっては気の毒な話しです。先日野鳥2羽の保護が立て続けに舞い込みました。そういえば小鳥が巣を離れる時期なんですね。1羽はシジウウカラともう1羽はメジロでした。両方ともまだまだ幼く、巣から飛び出たものの帰れなくなったようです。その日は朝から病院近くでシジュウカラのさえずりが盛んで、珍しいなあと思っていたところ、昼過ぎに近所のバイク屋さんがヒナを連れてきました。いつもならエサを与えて暖めて・・・・と保護するのですが、そういえば親鳥が盛んに騒いでいたのを思い出し、元の場所に鳥かごに入れて戻してやりました。すると母鳥でしょうか、一生懸命危険を冒してやってきているではありませんか。それもエサとなる虫をくちばしに挟んで。母はつよしです。
メジロも聞くと溝に落ちていたそうで、その近所を見渡すと家ばかり。どうやら落ちていた家の庭に巣を作っている模様。このヒナも戻してもらいました。するとやはり親鳥が急いで飛んで来て、一緒に巣の方向へ枝伝いに帰って行ったそうです。このメジロのヒナを見つけてくれたのは中学生でしたが、この子は数年前、小学校の木から落ちてきたやはりメジロのヒナを持ち込んできて子でした。当時は小さく可愛い男の子でしたが、今では立派な中学生になり、私より背が高くなっていました。その当時のメジロはその子を交えて皆で放鳥した思い出が蘇りました。
鳥も人も成長する様は見ていて目を細めてしまうものです。