奈良の動物病院 山尾獣医科病院

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レーズン

連休も終わり、狂犬病の集合注射担当分も終了。ようやく院内に腰をすえて・・・と思った早朝電話がなりました。

少し前に神経症状を訴え、MRI検査を受けてもらったK君です。どうやらレーズンを食べたらしく、飼い主さんは自身で携帯やパソコンで調べたところ、レーズン・ブドウに中毒を起した症例があることに気づかれ、あわてて電話をしてこられた模様です。

すぐさま来院してもらいました。

話をよく聞くと、夜中のうちにサークルを脱走して座卓の上のレーズンを袋の1/3ほど食べてしまったそうです。

食べてから少なくとも3~4時間、多ければ7時間は経過しています。既に強制に嘔吐させる事は無意味です。

レーズン・ブドウ中毒は1999年から報告があり、2003年から2004年の間140例の様々なブドウを食べた症例を検証した結果、50例のイヌに何らかの症状があり、うち7例が死亡していることがわかりました。

症状は食べた72時間以内に嘔吐・下痢が認められ、食欲不振・腹部痛・元気消失・脱水などの症状もあわせて認められます。数日後には腎不全を呈してしまうようです。

現在のところレーズン・ブドウの何が悪いのかは判っておりません。

また中毒量としてはブドウでは体重1kgにたいして32g、干しブドウでは11~30g以上食べると腎機能に異常をきたすのではないだろうかと言われているようです。

さてK君。そんな事とはつい知らず、元気に走り回っています。

飼い主さんはこれから仕事に行かれるようです。しばらく院内で観察することにしました。

どうやら体格が大きい子なので中毒量には至っていないようですが楽観できません。

皆さんも十分に注意しましょう。

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