隣にいるイヌやネコの口臭が、最近気になる!食べるとき痛がるようだ!!よだれに血液が混じる!!!などの症状を感じたことがありませんか?
口臭は歯石や歯肉炎の細菌感染によるものですし、痛みや血液が混じるのは正に炎症の症状です。早速治療を要します。
同時にイヌやネコ歯の治療ってどうするのですか?よく聞かれます。
イヌやネコではう歯(虫歯)はあまり見かけませんが、硬いものを咬んでしまって歯が磨り減り、歯の中心部にある血管や神経の管(歯髄)が見えてしまい、とうとう細菌感染を起こしていることがあります。こうなると歯髄をきれいに掃除してあげて詰め物をするのです。
また歯茎(歯肉)と歯の隙間。いわゆる歯周ポケットに感染が起こる歯肉炎や、それがかなり進んで歯根膜炎に至り、とうとう歯層骨炎という歯の土台すなわち顎の骨がボロボロになってしまうことがあります。こうなると痛くて痛くてご飯が食べられなかったり、痛い方の歯を使わずに上手にご飯を食べたりと動物たちも工夫します。
特にネコでは大きな原因もなく口内炎や歯肉炎が発生して、とうとう口を開ける事ができないこともあります。ネコの伝染性免疫不全症候群(FIV:ネコエイズ)も同じような症状になります。
そこで治療となるとかなり大事です。いずれの場合も全身麻酔をかけますし、歯の根っこ(歯根膜)が壊死していれば抜歯するしかありません。ネコの広範囲な口内炎ですと、歯のほとんどを抜いてしまうこともあります。
しかしこれでとりあえず痛みは取り去ることが可能です。エサも数日すると食べることが出来ます。そして日常生活も楽に過ごしてくれるでしょう。
でもやっぱり予防が一番です。
1)日常のプラークコントロール:歯ブラシの習慣性や歯石コントロール用のガムを与える
2)歯石が頑固なら動物病院で取りましょう
左の写真:歯石除去前
右の写真:歯石除去後。しかし既に歯の根っこ(歯根部)が見えてますので、炎症はかなり進行しています。この歯は抜かないといけないでしょう。こうなる前に処置しておきましょう。
出来ることからはじめた方が良いと思いますが、激しい炎症を持っているときには、不適切なブラッシングやガムの投与は逆効果です。できるだけ獣医師と相談された方が良いでしょう。