1日中病院を休診致しまして十津川村へ狂犬病集合注射へ行って参りました。
とっても遠方ですし業務に遅れると大変なので、日曜日の午後から現地に乗り込み、民宿で1泊、そして朝8時から開始。というプログラムです。
日曜日は連休明けとあって診察も遅くまで続き、終わるや否や早朝から積み込んだ荷物の入った車に乗り込み出発。お連れの先生と合流して昼ごはん抜きでとりあえず十津川へ走りました。
十年ほど前の十津川行きとは異なり、今は京名和道路がところどころ完成していることから時間短縮ができるようになり、十津川とは言え恐れることはない事に気づきます。
また五条から南へ下り大塔へ入った後も、以前の道ではなく、トンネルも数多く完成しており走りやすくなりました。
一方トンネルとは言えども道幅の狭いところも多く、大型ダンプカーやバスとすれ違うのは必死のパッチです。
何とか夕方には谷瀬(たにぜ)の吊り橋へ到着。ここまで休憩なしに来たものですから、あと20分ほどで宿舎ですがとりあえず一服です。
あの有名な吊り橋を渡りました。多くの観光客が来られていたので20名ほどが歩くのですが、どうも左右に揺れます。写真を撮るにも一苦労。橋の両サイドには網が張られてあり、落ちないようにはなっているものの、やはり下の川に焦点が会ってしまうととっても怖いものです。
何とか渡りきり、反対岸のお店に入りました。
すると「鮎うどん」という物を発見。そう言えば昼ごはんを食べずに来たものですから急に空腹に気づき、早速「串こんにゃく」と一緒に頂く事にしました。
このお店は谷瀬集落の方々が交代で店番をされているそうで、とっても会話も楽しく居心地のよいお店です。出てきた「鮎うどん」。まず鮎の甘煮を頭からかじると風味がジワ~と口いっぱい広がり、薄味のお出汁を引き立てます。
これでお腹も落ち着いたので再び橋を渡り宿舎へ直行です。
こちらの道は信号が殆どなく、奈良市内で20分走るのと十津川で20分走るのでは距離が全く異なります。
宿舎は泉湯という温泉の中にあり、役場から1分もかからない所です。決して賑やかさもなく、煌びやかさもなく、ともすれば寂れ果てた民宿にも見えます。しかしとても親切で丁寧なお世話をして下さいます。
近くに公営の温泉もあり、温泉の好きな方はお勧めです。温度はやや高め。ヌルヌルした感覚もなくアッサリとしたお湯です。匂いはイオウの香がして、温泉に来たなあ~と思わせてくれます。
この日はゆっくりと寝て翌日、朝8時からしっかりと仕事です。
役場の方の運転する車に乗り込み、険しい山道や細い細い道。とんでもない勾配の道を幾つも幾つも走りました。
合計16箇所を回り予防接種を実施してきました。
共通して言えるのは、人々の応対が親切で優しく、犬達もとても人が大好きで、唸る犬はまずいません。
一方2年前の災害でまだまだ復旧工事が多くの箇所にて行われております。会場の移動中にも深層崩壊と言う、大きな大きな地すべり跡を幾つも見ました。その中には明治時代に起こった深層崩壊の後も残っており、その場所から100mほど離れた場所で今回も深層崩壊が起こっております。
そのあおりで尊い人命が幾つも亡くなっておられ、そっと手を合わせてご冥福をお祈りしました。
十津川村ではあの災害以来、人口の流出が止まらず、相当数減少したとも聞きます。
奈良県の北部にいては実感できていない現状が十津川村にはまだまだあることに驚きと無知さを実感した次第です。