キリンは首が長くてとても優しい風貌をして人気のある動物です。元々あの長い首は短いものだったのでしょうが、食物の奪いあいから長い期間を経て自分の体を進化させ、とうとう高い木の葉っぱを食べることが出来るようになったと言われています。また遠くを見渡せるため、敵が襲ってきても良くわかるようにとも言われております。
動物によっては食べるもの自体を変えていく進化があったり、住むところを陸から海に変えて行きエサの確保をしてゆく動物もいます。(キリンの祖先はオカピーと言われる首の短いシマウマみたいな動物です)
しかし首がながくなって便利になったものの、今度はあの高いところにある脳に血液を送り込む心臓の働きが必要になったのです。心臓は血液を送り出すポンプですが、キリンの血圧は半端な力ではありません。同じ血圧を人間にかけると、間違いなく脳の血管は切れてしまい生きてゆけません。
ところがこのキリンも、地面にある草を食べます。そのとき頭の位置は心臓より下にあるわけです。そしてもし敵が襲ってきたとき急激に頭の位置を通常の高さに戻し、かつ走らねばならないとなったとしましょう。そうなると脳への血流が追いつかず、フラフラするはずなのです。これには血管の中の血液が下がらないために弁がついていて、血圧が下がるのを抑制しているのです。
また逆に急に草や水を飲むために頭の位置を下げると、頭痛がするほど血流が増えてしまい、これまたクラクラするはずなのです。実はこれをコントロールする血流の緩衝機能が後頭部にありこれをワンダーネットと呼んでいるのです。
体の対応はホント素晴らしいです。
大学時代、解剖学の授業で聞いた先生の話ですが、キリンのお肉はとても美味しいそうです。でも先住民族の人たちは取り尽くされてしまうことを恐れ、絶対にキリンを食べないと聞きました。彼らは自分たちの環境や食べ物を守り、育ててゆくのです。きっとお金というものが出来てから、食べる分だけの獲物や作物を確保するといる考えが薄れ、富を得ることに執着してしまう発想が動物を絶滅させてしまうきっかけになっているのでしょう。
しんぷる いず べすと!
ちなみにキリンの写真は私の作品です。ちょっときれいでしょ。