今京都市立動物園で生後5ヶ月ほどになるツシマヤマネコの子供達が一般公開されています。
先日丁度その初日に休診日でもあり京都に行く所用がありましたので、時間を作って動物園に行きました。
やはり秋のシーズンです。バスを仕立てて幼稚園児や小学生が遠足に来ていました。そんなワイワイガヤガワの中、初老のオッサンがブラブラヤマネコ舎に行きます。
ヤマネコ舎では数名の先客が隠れているヤマネコさんを覗いていました。先客はなんと100%大人。どうも子供達には地味で興味が沸かないのでしょう。子供達はゾウさん、ライオンさん、トラさん、キリンさんに集中です。
ヤマネコさんたちは獣舎に設えられたブッシュになりを潜め、よく見ると光っている両目がかろうじて見えるくらいです。これから多くの人間の目に触れるわけですから、その雰囲気に慣れるための期間が開始されたばかりです。そりゃ怖くて堪らないでしょう。本来イエネコを私達は診察しておりますが、ノラの猫を保護する施設では、一旦保護するととても静かな環境に住まわせ、掃除も頻繁に行ってはいけなくて、静かにソッとトイレを替えエサを入れて挙げる。こんな事を2週間ほど繰り返し人や環境に慣らすのが行動学上勧められます。
本来は野生ネコは母猫の元で暮らしている子猫ですとどの施設も公開は控えるそうですが、この子達は帝王切開で生まれ、その後人工哺乳で育てたため人の手を早くから介しているので公開に踏み切ったと聞いています。いろいろ配慮した結果なんですね。
取り合えず他の動物達にも挨拶をしに行くことにしました。するとゾウ、シマウマ、ゴリラも子供が育っているらしく、母親と一緒にいる姿がとても可愛いものです。
ゴリラの子供ってとても遊ぶのが大好き。木の棒を持って本当楽しそうでした。
そして再びツシマヤマネコの獣舎に戻りますと、獣舎手前の網、地面より2mほどの高さの足場に2匹がくっ付いてこちらを伺っていました。少し環境に慣れたのでしょうか。なかなか順応性の高い子達です。
こうしてみるとイエネコとかなり近親な関係がわかります。ベンガルの亜種であるアムールヤマネコの変種だといわれているそうです。
今度また会いに行った時はもっと慣れてきているでしょう。楽しみです。