先週の後半です。夕方の診察時間に白い犬のMちゃんを連れてやって来られました。
「どうされました?」
「胸のところに出来ものが出来て、少し大きくなっているんです~。」
早速拝見すると黒っぽい小豆より小さな塊が見えました。よ~く見るとマダニです。その口元がMちゃんの皮膚に喰らいつき、手足が見えます。
「これマダニです。」
「えええ~?」
早速使い捨ての手袋をはめて、ピンセットでそっと潰れないようにマダニを捕らえると取れました。
飼い主様にお見せするとマダニの手足がリアルに動いているのが気持ち悪かったのでしょう、驚いて居られました。
以前までは素手でマダニ除去を実施していたのですが、今SFTS(重症熱性血小板減少症候群)ウィルスの存在が叫ばれている中、犬や猫の感染や抗体の保有(SFTSウィスルが体内に入り、その体内ではウィスルから体を防御するために作られた防御能力のことを抗体いう)や従事者の血液からも抗体が検出され、実際感染症が発症している症例も報告されています。そして猫から人への感染が疑わしい例も報告され、私達は率先して人の感染予防に従事しなければなりません。
現在奈良県、大阪府は何故か畿内でもSFTSウィルスの抗体価保有症例が報告されておりませんが、今後必ずといって良いほど報告はでるでしょう。
どうか皆様もご注意ください。
〔予防方法〕
1、イヌやネコのマダニ予防を確実にする。
2、草むらへの侵入を控える。(人も肌の露出をできるだけ制限する)
3、冬場は枯葉の裏側で若ダニが越冬しているので、枯葉の堆積した所への侵入を止める。
4、万が一マダニが付いたら、ゴム手袋をはめてピンセットでマダニを捕る。なかなか取れなければ躊躇せずに動物病院へ連れて行く。
今年も後わずか。健康に過ごしましょう。