奈良の動物病院 山尾獣医科病院

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エキノコッカス(寄生虫)

少し前までは北海道に多い寄生虫と言う認識が強い病気でした。 エキノコッカスに感染したキタキツネが排泄した糞。これが公園の砂場や山野の湧き水・小川を汚染し、砂場で遊んだ子どもがエキノコッカスの卵を砂と共に触り、そして口元へ知らずに運んで消化管へ。また湧き水をハイキングなどの際に飲んでしまい感染。などと言う事例が多発したため、北海道では公園の砂場では子供は基本遊びませんし、野山の湧き水は誰も飲みません。

このような北海道の常識は私たちは知らずに生活してきております。

しかしこのエキノコッカスが最近愛知県の知多半島で見つかってきております。少し前までは関東で確認されたばかり。 恐ろしいほどの速さで西へ移動してきております。 キタキツネだけが運んできているわけではありません。実はネズミを捉えた猫も媒介者の一つ。

 

専門家は警鐘を鳴らしています。

●イヌやネコも運び屋になるし感染もする。

●キャンプが人気を博しているが湧き水や小川の水を生で飲むことは決してしてはいけない。

 

ではエキノコッカスとはどんな病気でしょうか。 感染すると肝臓や肺・脳などに袋状の構造物を作り細胞を破壊してしまいます。 治療は手術で取り除くか、初期なら駆虫薬が効果を出すこともあります。そして病期が遅くなれば姑息的治療しか出来ません。 くれぐれも山や川などでの活動には十分にご注意ください。

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