日本では「狂犬病」という病気は犬が罹る病気で、人間は感染している犬に咬まれたらうつる・・・・という概念がとっても強いです。。
夏過ぎ、中東の世界遺産を見るためご家族で旅をされた方が居られました。そのときです。途中立派なホテルの前の植え込みから飛び出してきた子猫に手を引っかかれました。
心配になられて添乗員さんや同行の旅行者に聞かれたそうですが、狂犬病は犬の病気だから大丈夫でしょ~。ってお答えだったそうです。また関空に戻ってきたとき、検疫に相談しようかしらと思ったのですが、やはり周囲の反応は今ひとつだったそうなのでそのまま入国されました。やはり心配になり、いろいろ情報を集められ、結局感染症専門の内科医に相談し、病原体暴露後(もしかしたら狂犬病ウィルスが体内に入った)という仮定において、狂犬病予防注射の接種を6回、しかるべき間隔で接種することになられ現在はお元気に過ごされております。
今回のケースでは特に感染の疑いが強かったわけではありませんし、引っかかれたといいましても手の表皮がすこし削られたていどだったそうです。しかし狂犬病に感染しないとは限りませんし、もし感染すると助かりません。ですから早目の手立てが大きく生死をわけるのです。
もう少しお話しを聞くと、現地で犬に咬まれた旅行者は、まずその国で狂犬病の予防注射を接種して帰国されるそうですが、それ以外の動物だと「犬ではないから」という理由で放置される方が大半だとか。
今回の問題点をまとめますと
1)狂犬病は全ての脊椎動物が感染する病気であること(犬という意味合いの文字を使うのは、日本と中国だけ)
2)多くの外国(狂犬病保有国)で動物により怪我をした場合、すぐに現地のしっかりとした病院にかかり、ワクチンを接種してもらうこと
3)海外へ渡航する際(狂犬病感染国)、予め狂犬病の人用ワクチンを接種してもらうこと
だと思います。今回当事者の方は、これで今後安心して世界遺産を見に行けると喜んで居られます。
くれぐれもお気をつけて・・・・。いってらっしゃ~い。