子供のころからいろいろな動物にかかわってほしい
■学校飼育動物
子供は本来動物がとても好きだと思われます。例え親が動物嫌いでも、その感情が刷り込まれる以前には、本能的に動物に触れに行きます。優しい目、手触り、温かい感触、ずっしりと来る重さなどを感じ取り、エサを手から食べてくれた感激、そして慕ってくる喜びを通し自然と強い立場と弱い立場を会得した末、世話をしてあげなければならないことを学ぶ。時間が経つにつれそれが老いであることを感じる。
核家族化した人間社会ではなかなか感じ取る事ができない実感を、動物たちを通じて体感して行き、責任や優しさを得る事は可能なことではないでしょうか。
こんな事がありました。飼育委員会に参加したときのこと。いつも飼育小屋の掃除をサボって帰るA君がいました。「ウサギたちにはお父さんも、お母さんもいません。エサがなくなると誰がエサをくれるのでしょう。部屋が汚くなったら誰がきれいにしてくれるのでしょう。」と私達がお話をして帰った後、次の日からA君は誰に言われるでもなく自主的に掃除をはじめ、さぼって帰る友達を見つけると今までの自分を棚に上げて説教をはじめるありさま。
それ以来彼はいろんなことに積極的に参加してゆくようになったのです。
私達は獣医師であり教育の専門家ではありません。しかし獣医師であるからできることもあると信じ、子供たちと動物の橋渡しになって行ければと考えます。
【関連サイト】
学校飼育を考えるページ
全国学校飼育動物連絡協議会
奈良県獣医師会学校飼育動物委員会